食卓と家族 ― 家族団らんの歴史的変遷
目次
序章 問題設定
■第Ⅰ部 食卓での家族団らんの現実と言説
第一章 幸せな家族の象徴としての食卓
1 食卓での家族団らんの意味
2 メディアが描く食卓
第二章 戦前における食卓での家族団らん
1 先行研究からみた戦前における食卓での家族団らん
2 大正期の家族の食事
3 食卓での家族団らんの実現に影響を及ぼした要因
■第Ⅱ部 教科書・雑誌における食卓での団らん言説の歴史的変遷
第三章 食卓での家族団らんはいつ始まったか
1 明治期総合雑誌・婦人雑誌の分析
2 「食卓での家族団らん」言説の初出
3 婦人雑誌の大衆化と記事の変化
第四章 教科書に描かれた家族の食卓
1 修身教科書における家族の食卓の変化
2 家族の楽しみから家庭の規律へ
3 国家に利用された家族の食卓
4 家庭科は「食卓での家族団らん」をどう教えてきたのか
■第Ⅲ部 これからの食と家族
第五章 子どもの発達、家族関係に及ぼす影響
1 一二〇年の歴史における食卓での家族団らんの意味
2 食卓での家族団らんは本当に効果があるのか
終章 食卓は家族を救えるか ― これからの食と家族
1 教科書・雑誌分析から明らかになった食卓での家族団らんの意味
2 食卓は家族を救えるか ― これからの食と家族
註
あとがき
参考文献
索引
表 真美 著
定価2,415円(税込)
2010年 2月発行
四六判/206頁
ISBN978-4-7907-1463-7
家族再生の手段として期待され、人々が望む幸せな家族の象徴である「食卓での家族団らん」はどのように意味づけられてきたのか、「団らん」言説の初出、歴史的変遷をたどり、今後の家族団らんに関する教育のあり方について考察する
専門書 (社会)
産経新聞(2010年6月4日夕刊)に、著者の記事が掲載されました。
「食卓の意味を問い直す」として、本書に関連する「“形”だけではない家族団らん」について書かれています。
「人の暮らし方は強制される性質のものではない。構造的な問題に目を向けずに形だけを強制しても、課題の解決には結びつかないだろう。」(記事本文より)
朝日新聞に著者インタビュー記事が掲載されました
食卓を囲んで楽しく語り合う家族の姿は、幸せの象徴と思われています。しかし…「楽しく話しながら食事をする過程が当たり前になったのは戦後[中略]明治20年代初頭に欧米から入ってキリスト教思想に基づく近代的な家庭論として広がり、学校教育に採り入れられていった様子がみて取れました。」
「国が意義を強調するあまり『食事で家族がそろうことは正しいことだ』と強迫観念が生まれていないでしょうか。[中略]現在、食事の支度は90%を妻である女性が担っています。長時間労働も改善されません。こんな状況で奨励するだけでは、当事者を追い込むことになると思うのです。だんらんを阻む構造的な問題にも目を向ける必要があると感じます。」
(2010年5月23日(日)『朝日新聞』「くらし考」より)

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